シルク ドゥ ソレイユの本

シルク・ドゥ・ソレイユ サーカスを変えた創造力

シルク・ドゥ・ソレイユ サーカスを変えた創造力

俺はエンターテイメントに生きたい。
NYの地下鉄で、そして学校へ向かう途中のストリートでそう思った。
体中が震えるようで、そう、鈴木敏夫プロデューサーが言ったように、血が逆流する感覚というのはこういうことなんだ。
そういう彼も、宮崎駿と話していて,これだと思う時はその感覚がサインなのだそうだ。

何であえてただの娯楽であるエンタターテイメントなのか。

俺は魂が震える瞬間の快感、これがたまらなく好きなんだと思った。

シルク ドゥ ソレイユが見たいと思った。
電車の中でむさぼるように読んだ本。
まだ見ていないのに、ここまで突詰められた芸術、エンターテイメントは類を見ない。
そこの第一線で息を上げながら,精神的に追い詰められながら、けれど最高の喜びを全身に噛み締めながら活躍している人を見ると、うらやましくて、でもそれができていない自分が嫌で、焦りが,不安が、でもそれに負けないくらいのやる気が全身から沸き上がってくるのを感じた。

すごくすごく上を目指しているし、究極を見たいと思っている、先端でやりたいと思っている。
その分、時々こんな俺でも平気かなと、できるのかなと大きな不安にかられることがある。

冷え切った空気と,凍った道を歩きながら,ふと、ゆずの呼吸という曲を聞いていた。
その染み渡るような声を聞いた時、寂しくて,でも一人でいることに酔っているような、そんな訳も分からない感情に触れて涙が出そうになった。誰かに抱きしめられたいと思った。

俺はエンターテイメントに生きたい。
僕らの肉体がおいしい食べ物、最高の睡眠を欲するように、僕らの魂、心の部分だって最高の,震えるような芸術を食べていかないといけないんだ。

そんな仕事に俺の一生を捧げられたらむちゃくちゃ幸せなんだろうなと思った。
その為に毎日を必死に生きたいと思った。

1/31/09
細井洋介