『ふたごのナガレボシ』

今晩、双子座流星群がピークを迎えるというので、僕は
『ふたごのナガレボシ』
『二千と七つのナガレボシ』
なんていう素敵なプレイリストなんかを作ってグレンデールから少し北へ行った山へ車を走らせた。
2:00 a.m.
ひどく冷え込むので上に六枚も、下にはジーンズを無理矢理二枚重ねにして、マフラーに帽子、手袋と、完全防備で行ったんだ。

僕は北斗七星のまわりをよく見ていた。
空を見上げた瞬間一つ星が落ちて行くのを見た。
はっとした。

いくつ流れて行く星を見ただろう。
30個以上は見たんじゃないかな?

黄色がかったものから、青白いもの、
太く、軌跡まで明るく残すものから、細く、糸ほどしかなく今にも消えてしまいそうなものまで、

真下に直球で降り下りてくるものもあれば、天空高くをサーっと横へ流れるものもあった。

しばらく出て来ないと思えば1個2個3個と流れ、連続で僕を興奮させるものもあった。

make a wish on the falling star.
そんなにうまいことはいかないよ。
だって早いんだもん。

気がつけば4:30 a.m.
冷めかかったビーフシチューをすすり、また山を下る。

地球の向こう側にいるあの人も素敵な時間をすごしているだろうか。

いつもの通りに下りて来ると、朝5時前にして、ギンギンと輝くクリスマスのイルミネーションが憎く思えた。
人が眠った夜中ぐらい休もうよ。
普段は、あぁ綺麗だなと思っていたのに、やっぱ僕は星の光の方が好きだ。

凍る様な空気と澄んだ夜空を見ていると、まだ見ぬ宇宙への想いを確かめる。
期待と不安は入り交じる。
それでも僕は時期が来れば飛び立つだろう。

今晩、こんなに星が流れて行っちゃって空からなくなりやしないかと根拠もないのに心配をしつつも、空を見上げている間は、もう一つ、もう一つ流れやしないかと待ち望んでいたよ。

選んでおいた音楽もその空間を素敵に演出してくれた。
空に吸い込まれちゃいそうなのもあれば、切なくなったり、嬉しい気持ちでいっぱいになったり、何だかとても素敵な時間を過ごせた。

そうしてまた暖かいベッドにもぐりこむのだ。