帰る場所

今晩は前住んでたアパートで作ったたくさんのメキシカンの友達がパーティー開いてくれて心から嬉しかった。
まずは一人の少年の四歳の誕生日祝いをして、その為によく遊園地とかにある大きな怪獣みたいなビニールの中に空気をがんがん入れて子供達が中に入ってぴょんぴょん飛び跳ねるのあるでしょ。それを二つもどこから借りて来たんだかしらないけど用意しててスケールが違うなと思った。
だから俺の引越の門出祝いだけの為って訳でもないけど、ちっちゃなガキから老人まで50人くらいいたんじゃないかな、ほんと彼らあったかいやつで別れるのが辛かった。彼らのつたない英語で一生懸命喋ってくれようとする姿勢が嬉しいし、惜しみなく山々と出してくれる料理とビール。
アメリカに来て日本人以外の友達もたくさん出来たけど、このコミュニティーに住むメキシカンが今のところ一番俺を受け入れてくれて、仲間に思ってくれてると思う。
がっつり食べた後にはビールを片手に笑い話からシリアスな話まで色々な人と話してね。
でもやっぱ便所掃除とかゴミ回収とかそんな低賃金な仕事ばかりなのに、彼らの楽観的な姿勢が変に気持良かった。ビールのせいだけではないだろう。
これでいいんだと。
自分は受けられなかったから、せめて子供には教育を受けさせたいと。
それさえあればお金はそんないらないし、あとはこう楽しめればいいんだとね。
そう思うと受けて当たり前だと思って教育を受けて来たけどやっぱ違うんだね。
ましてさぼって遊んでばっかいる人とか見たら彼らはどう思うんだろう。
このアパートは、現在そこに住む人だけでなく、少年時代をそこで過ごした人、友達がそこに住んでる人、妻がそこのアパート出身の人、ただ近所に住んでる人、みんなそこが好きで何十年経ってもそこへ集って来る。
そんな環境が僕の目にすごく嬉しく映った。
トルコ人には二人連続で裏切られ、白人の友達とはクラスの中では仲良かったにも関わらずクラスが終わるとその関係はあっけなく終わった。
たったそれだけでその人種全体を否定する気は毛頭ないけど、それでもメキシコ人のあったかさは格別。
まぁ次の家も近いしすぐに会いにいけるけどね。
地球の中で俺の帰る場所がまた一つ増えた気がした夜でした。

追伸:先日家へ帰ろうとしたら17th st.が警察によって封鎖されてたでしょう。何だよ帰れねぇじゃんかと思って仕方なくそこに座って深夜特急を読んで封鎖解放を待っていたんだけど、何が起きたかはあんま知らなかった。
そんで今日マリファナ漬けの友達が大きな大きなジェスチャーを交えて教えてくれたんだけど、メキシカンのギャングが一般人を装った警官の腕に銃弾を二発打ち込んだという事件。コカインを吸っていてラリってたのかな。要は敵のギャングが侵入したと思って撃ったんだよね。俺の家のあたりは危険地帯と言われていたけど、こんな家の近所にホントにギャングがいて、発砲するとは思ってなかった。日本のギャングなんて可愛いもんだよね。粋がっていられるのも日本と言う島国の中でのみだろうね。そういえばヘリも飛んでたわ。ちょっとアメ人の大げさが現れてるとは思うけどね。
もしかしたら今回の引越は、亡きおばあちゃんが俺を安全な方に移動させたのかもしれないね。今は学校の南側。少しは安全になっただろう。