南米コロンビアに行って思ったことのあれこれ。

初の南米、コロンビアでの撮影を終えて今朝ニューヨークに戻って来た。
I-20にサインもらうの忘れて取調室に連れていかれ、早朝から焦ったのは置いておいて、、コロンビアの首都ボゴタは標高2640メートルに位置していて、富士山の五合目を越える高さであった。長い階段を上り下りすると若干息が苦しくなるのを感じていた。

コロンビアで走る車は日本の2,3世代古いようなおんぼろばかりでガタガタ言うし、バスの排気ガスなんて真っ黒でそれを吸い込んでいるのが嫌になるようだった。ニューヨークのドライバーも結構がつがつ攻めて行くけれど、ここボゴタではそれの3倍は荒かった。3車線程あっても横に5台くらい並走して我こそ先に先にとクラクション盛んにせめぎあっていたりした。街を歩くと道では果物売ったり、野菜、アクセサリー、お菓子など、大声を張り上げている人々。毎日お祭りみたいだった。一つ路地を入ると短いドレスを着た娼婦たちが煙草を吹かしたり、艶かしい目で立っていたりする。道路は整備されていないし、そこら中にグラフィティーは書かれてるし、色んな面で完成されていない感じがした。ただいつも思うのが、そういう混沌としたところこそ映画に描くと魅力が出る気がする。人々が生々しいというか何と言うか。自分ちでとった卵を道ばたで数ダース売ったところで、一つ数ペソのお菓子をいくつか売っただけで、大したお金にならないだろうに、、生活できるのかな、もっといい方法絶対あるよな、なんて思ってしまう。でも人と人とがもっと密で、家族やいとこなど親族がもっと密で、そういうのって都会の東京やニューヨークから失われてしまっているよなと改めて実感した。本来一番大切な人とゆったり暮らすことを忘れ去ってしまった感じがした。

大学を卒業してそろそろ一年になる。
普通に会社に就職しないどころか映画の製作会社などにも所属していない。大分”社会の流れ”みたいなものからはみ出してやっている。フリーランスでやってみようということにした。決まったスケジュールなんてなくて、みんなが出勤するころ帰ってきたり、真っ昼間みんなが働いてるころ起きたりする。明日の仕事が前日に決まったり、毎日仕事仲間が変わったり、撮影なので当然仕事場所も毎日変わる。仕事次第なので月にいくら稼ぐかも決まっていない。一年目からそれで食っていけるのか、と疑問もあったけれど御陰様でやりきれないくらいの仕事が来ている。映画という好きな仕事が見つかって本当に幸せである。良い映画を作って行くプロセスが楽しくて仕方がないのである。むしろ仕事という感覚がない。もちろん凄く大変だし、本気なんだけど、ただ一所懸命友達と遊んでいる感じでもある。また、色んな国に行けるチャンスがあるのもこの仕事の魅力の一つでもある。自分がより求められるような人材になれば自ずとそういうチャンスは広がるので、毎日自分なりには精進しているつもりである。

話が反れたけれど、今回コロンビアに行けたのも、僕を撮影監督として選んでくれた監督のおかげです。みんな優しくしてくれて何か本当に暖かかった。ある朝目を覚ましたらそこはコロンビアのベッドの上で、俺こんなところで何してるんだろうとふと不思議に思った。でも夢に少しづつ、少しづつ近づいて行けてるのかなという実感が嬉しい。反面、もっと凄い人に会っては、いつも俺なんかじゃ叶わないのかなんて打ちのめされたりしている。何なんだろう。世界で活躍できる監督になれる日までやり続けよう。やめなければ必ず到達できるのだから。

アメリカに住んで7年。英語が普通になった今、今度はスペイン語になって、全然コミュニケーションがはかれない!という感覚がすごく懐かしかった。スペイン語を一言一言覚えては試して使ってみて、それが通じて一喜一憂したりその感じが楽しかった。珈琲を頼めたくらいで一大イベントみたいなね。自分はまだまだですという様に初心に帰るということを忘れないようにしたい。

毎朝絞り立てのジュースを飲んだり、夜はサルサを踊りに街に繰り出したり、ラテンの感じを大分満喫させてもらった。あー楽しかった。
写真の一部をここにあげてあるのでラテンの風をどうぞ。普通えっ?ってなりそうなのも気にせず塗っちゃう南米のカラフルな壁はすごく楽しませてくれた。Buena Vista Social Clubを彷彿とさせる町並みにどきどきしたぜ。
http://yosukehosoi.tumblr.com/

p.s
数日後には、ちょっと大きなニュースを発表できそうです!!